// 庇の効果? // (2000.11.08)

庇の機能は雨除けだけと思っていませんか?


モチロン雨除けには効果的です。もう一つ大切な機能を果たしているのです。 「
日除け」です。なぁ〜んだと思う方もいるでしょう。

ところが、これは室内環境に大きな影響を与えます。決定的なのは「夏」です。夏場に陽射しが部屋に入ってくるのと入らないのでは・・・ もう判りますね! たとえ高断熱高気密で2重サッシュにしてクーラーをガンガンに廻しても直射光が入るようでは期待した効果は得られません。レースカーテン閉めっぱなしの刑?が待ち受けています。

南面の窓には要注意です。「そういえば夏が異常に暑いなぁ」 と感じる方は、ためしに南面の窓側をのぞいてみて下さい。申し訳程度の庇しか付いていないハズ・・・。

でも、冬場は部屋の中まで陽射しを引込みたい!自然の享受を受けて、暖かい部屋にしたい! と誰もが思います。夏場の陽射しを遮る庇をつけると、どうなんでしょう? 実は問題なしです。

太陽には太陽高度という角度があり、夏場と冬場では陽射しの入り込む角度が全く違います。そのため夏は影が短く、冬は影が長いのです。



■具体的に図解します。

・オレンジが夏場の太陽の角度。
・黄色が冬場の太陽の角度。
※東京にて午後2時頃の場合です。


■ 庇の出=60cm


60cmの場合、夏場でも
1階も2階も陽射しが入り込みます。
これが一日中、続くわけですから、蒸し風呂状態になるのは当たり前!


■ 庇の出=1m 50cm&バルコニー


庇とバルコニー設置例です。夏場の陽射しを遮りつつ、冬場の陽射しを 部屋の奥まで導いています。


屋根(庇)を伸ばせない場合は、窓のすぐ上に小庇をつけて陽射しを遮ることも可能です。太陽高度と窓の高さの関係です!


雑誌に掲載されているカッコイイけどいかにも暑そうな住宅をながめながら 「基本を外してはイケナイナァ」と、つぶやきつつ。


TOPモドル